1週間一緒に暮らしてきたブムタンを離れる日。
淋しさを堪えながら、荷造りを終えた早朝。
いつものように朝、仏さまにお水をお供えしていると
アパがバターランプに火をつけるために入ってきました。
いつもは静かなアパが、何か呪文のようにモゴモゴ言っています。
このあと、クジェラカンに行ってから知ることですが、
このときアパが口にしていたのは、グルリンポチェのマントラでした。
今年7月10日は、旧暦で5月10日。
グルリンポチェさまの誕生日なのです。
歩いて20分ほど行ったところにあるクジェラカンでは、
1年に1度のお祭りツェチュが行われます。
おうちのみんなにとっては、一昨日行ったニマルンよりも
クジェラカンで行われるツェチュはずっと身近で、
先日おうちにいらしていたアマのいとこ?兄弟?のお坊さんもお経をあげられたり、
昨日おうちに遊びにきていた次男のお友だちも参加します。
さあ、いつものようにキラをきて、おでかけです。
はじめていくクジェラカンは、とーってもステキな雰囲気。
7世紀に建てられたお寺で、グルリンポチェさまは右側にある洞窟で瞑想されていたのだそうです。
ツェチュの目玉、大きなタンカ(仏画)のご開帳は朝7時から。
手に数珠をもったブータンの人たちが次から次へとやってきます。
普段は観光客は見かけないような町ですが、外国人も集まってきます。
この朝のご開帳の間は、家族のみんなと過ごす最後の時間。
そして、ブータンに呼んでくださったグル・リンポチェさまをいっぱい感じる時間。
普通にしているとさみしさがこみ上げてきてしまうので、
一生懸命覚えたゾンカ語で、ブータンの人たちとお話をしながら
ご開帳を待ちます。そわそわ
しばらくすると、お坊さんの手によって大きなタンカが運ばれてきました。
大きな布のかたまり。かなり重そう。
これを上へと引き上げていきます。
ドキドキのご開帳の瞬間、お参りに集中するために
カメラは、ちびっこノノに預けます。
ゆっくりと引き上げられた大きな大きなタンカには、
グル・リンポチェさまがいらっしゃいました。
大好きなブータンの空の下に、
グル・リンポチェさまの姿が見えたとき、
今までの自分の人生が一本の線で結ばれたような気がしました。
ブータンから遠く離れた日本で、自分が仏像・仏教に出会えたこと。
偶然とは思えない「今まで」が走馬燈のようによみがえって、
「仏教に出会えてよかった・・!!」心からそう思えた瞬間です。
ノノがご開帳の瞬間をムービーで撮ってくれました。
何度みても本当に感動します。涙
ご開帳が終わると、この大きなタンカ(仏画)に頭をつけてお参りをするため、行列ができます。
普段は穏やかなブータンの人たちも、仏さまのことにはいつも真剣!
アッという間に長蛇の列になっていました。
並んでいる間に、グルリンポチェさまのマントラ(真言)が気になって、
ガイドさんに教えてもらいました。
「オーム アー フム バザル グル ペマ シッディー フム」
ペマ!?
この大切なマントラの中に、アマが私にくれた「ペマ」という言葉が入っていました。
アマをみると、やさしく笑って頷いていました。
ぁぁ・・ありがとう、アマ。
大切な名前です。
順番がくると、タンカに描かれた仏さまと目をあわせながら、感じながら、
マントラを唱えながら、布を額につけていきます。
オーム アー フム バザル グル ペマ シッディー フム
オーム アー フム バザル グル ペマ シッディー フム
オーム アー フム バザル グル ペマ シッディー フム
天とつながるようなお祈り。
この国の人たちと一緒に、この国の人たちのとても大切にする仏さまに触れ、お参りできること。
本当に本当にしあわせです。
最後の五体投地は、この空に、神さまに、仏さまに、
想いが届いたような気がしました。



