如来・菩薩・天・明王…仏像の4つの役割

仏像の種類は、大きくわけて4つあります。如来(にょらい)、菩薩(ぼさつ)、天(てん)、そして明王(みょうおう)。それぞれに役割があって、仏像の世界ができています。聞き馴染みがなくても大丈夫!ひとつずつ説明していきます。

さて、この4つの種類。よく階級のようにピラミッドで表されることが多いですが、 誰がえらいとか一番ということではなく、 それぞれが「役割」だということを覚えておいてくださいね。造形にもその特徴が表現されていることが多いので、だんだん慣れてくると、看板などを見なくても仏像の名前がわかるようになってきますよ。

如来(にょらい)

役割:悟りを開いて正しい道をしめす、中心的な存在

仏像の世界は、この如来さまが中心となって広がっています。
ひと言でいうと、「如来」というのは悟りを開いた、ということ。 本来は「仏像」という言葉は、この如来の像を表すことばです。

✳️仏像ってそもそも何なの?

「悟り」といっても、正直よくわかりませんよね…。「悟り」というのは、簡単にいうと 生きているすべてのものが、しあわせになれる方法を知っていること。 ゆるがない真理を知っている存在なのです。

だから、如来さまの像は、とてもどっしりとしています。菩薩さまの像は、少し女性らしかったり、くねっとしていたりすることがありますが、基本的に如来さまの像は、どーーーん。 正直私たちは身近に感じることは難しいかもしれません。

そして、如来さまの体には、私たち人間とはちがう、如来さまだけの特徴がたくさんあります。たとえば、ザ・仏像!という特徴のあのパンチパーマのような髪型もそのひとつ。

✳️如来さまの特徴 32相80種

如来さまひとりにつき、ひとつの世界に住んでいて、 その世界のことを「浄土(じょうど)」といいます。 誰が住んでいるのか、わかるように浄土の前には名前がつきます。

お風呂に入ったりして気持ちいいときに、「極楽、極楽」といったりする 「極楽」というのも、実は「極楽浄土」という仏さまの世界のことです。 ちなみに極楽の世界に住んでいるのは、阿弥陀如来さまです。

✳️いろんな如来の種類 如来っていくついるの?

菩薩(ぼさつ)

役割:如来の世界と私たち人間との橋渡し役

菩薩の特徴といえば、もうとにかく優しい!ということです。 菩薩は、ブッダの修行中の姿がモデルとなっていて、その通り悟りは開いていません。 でも、まだまだ修行が足りないんだなっていうことでもなくて、実は菩薩は、自ら悟りを開かないことを決めた方なのです。
悟りは開かずに、如来さまの世界に一人でも多くの人間がたどり着けるように、お手伝いをする。渡し舟の船頭さんのような役割が菩薩さまです。
私たちの日常でも、とびきり優しい方のことを「あの人はまるで菩薩のようだね」なんて言ったりするのは、この菩薩さまの特徴からきているのです。

✳️菩薩の種類 菩薩っていくついるの?

天(てん)

役割:如来の世界に悪いものが入ってこないようにする守護神的存在

とにかく全員集合〜!と、いろんな神さまが仏教に取り込まれたのがこの「天」。「天部(てんぶ)」といわれたりもします。とにかく、いろんな宗教の神さまたちが仏教の仲間として融合しているので、天の方たちはこう!とひとことで特徴をいうのはとても難しいのですが…。ひと言でいうと、如来さまの世界を守る方。弁財天、毘沙門天、など天と付いている方だけでなく、阿修羅とか仁王とかもこの天に入ります。一番有名なのは四天王ですかね。

✳️天の種類 天っていくついるの?

明王(みょうおう)

仏像の種類を説明するとき、一般的には如来、菩薩、明王、天という順番で話されることが多いのですが、実はこれちょっとわかりづらいです。明王というのは、仏教の中でも限られた「密教」の中にしか登場しない方なのです。なので、ピラミッドの中に入れていいのかな〜と、本を書いたりするときにはとっても悩むポイントだったりします。

そんな明王の役割をひとことで言うと、「如来の化身」です。明王は、大抵怖い顔をしていたり、とても荒々しい姿をしています。それはなぜかというと、如来さまの優しいお顔だけでは従わない私たちの悪い心を、正してくれるからなのです。優しいお顔だけだと、ついつい甘えちゃって、「まぁいっか〜」と思ってしまうこと、ありますよね。私はしょっちゅうあります(笑)。それが、明王さまの前にいくと、怒られている(叱られている?)ように感じてビシッと背筋が伸びる気がします。

明王の中で特に有名なのは、不動明王。 お不動さんとも呼ばれて、民間でもとても人気のある方です。不動明王は、密教の中で一番大切な存在である大日如来の化身といわれています。高野山などの真言宗のお寺にいくと、いろんなお不動さまと出会えますよ。