
鹿児島には古いお寺がありません。
明治時代に起こった「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」で、
仏教のお寺は徹底的に壊されてしまったそうなのです。
鹿児島の人たちは口を揃えて
「鹿児島には古いお寺がひとつもない」とおっしゃいます。
そんな場所で、仏像にお会いできるのか・・
少し不安を感じながらも、鹿児島に上陸!ひさしぶりでうれしい!
しらべてみると、岩に彫られた磨崖仏(まがいぶつ)は鹿児島にもたくさん残っているそうで、そのうちのひとつ「岩堂観音(いわどうかんのん)」さまにお参りにいくことにしました。
最寄り駅はJRの霧島温泉駅。
昔は霧島西口駅という名前だったそうです。
そこからなんと徒歩90分!!約4キロくらいの道のりです。
バスもないので、いつも通りがんばって歩くことに。
スタートしてすぐ、踏切を渡ろうとしたらお地蔵さまに出会いました!

手に本物の花を持っていて、かわいらしいお地蔵さま!
線路のすぐ横にいらっしゃって、みんなの安全を守ってくれているんでしょうね^^
私も、今日の旅がステキなものになるようお参りしました。
駅を降りて10分くらい歩いてから、ようやくひとつめの看板に出会ってホッ。

携帯の電波もあまりよくないし、一本道が長い場所では
一度道を間違えると大変なことになってしまうから慎重に慎重に!
道には人がほとんどいないので、途中民家に声をかけて道を教えてもらったりと、いつになくとにかく慎重を心がけます!笑
やさしいお母さんに道を教えてもらって、徐々に山道へ向かって歩いていると、
軽トラックが私の横に止まりました。
「なに?誰?」と思ったら、さっき道を教えてもらった民家のお母さん。
「あら!ひとりだったの!??
迷っちゃってたら大変と思って見に来たんだけど、ひとりだなんて!
しかも歩き??!
数人で車で来たのかと思ってたー
乗って、乗って!!」
なんと私を心配してくださって、見に来てくださったのです。。
や・・やさしい・・。泣ける。><
笑顔のステキなお母さんの運転するトラックに乗せていただくと、
車はぐんぐん山の中へ!!
慣れてる人じゃないと来られないようなカーブが続く細い道。

岩堂観音さまはこんな山の 谷 にいらっしゃいます。
なので、一度山を登ってから、ぐんぐん下っていくのです。
ずいぶん下ってから、駐車場に到着。
もうこの時点でかなり山の中です。足もとにも枯れ葉がいっぱい。
お母さんも「私も一緒にお参りいくね」と、
一緒に山を降りてくれました。

車を降りると、終わりが見えないながーい下り階段!!
写真ではあまり傾斜が伝わらないのが残念だけど・・><
全部で163段ありました。
その階段を下りて、さらに山道をくだっていくとついに鳥居が!

この真っ赤な鳥居、この集落の方々がみんなで一緒に作ったものなんだってお母さんが教えてくれました。
杉の木で作っているから、何年か経つと朽ちてしまうので
その度に集落の人たちで作り直すんだそうです。
あったかいなぁ。。
それに、数年前までは1月1日の初日の出のあと、
地域の子供会が磨崖仏のおそうじをされていたんだそうです。
「今は子どもの数が少なくなっちゃったからやってないんだけどねぇ・・」
と少しさみしそうにお話されていました。
過疎化って、本当にさみしいなぁ。
仏さまをお守りすることを継げなくなってしまうんだもんな。
私の体がたくさんあったら、いろんなところにお嫁さんにいって
仏さまのおそうじさせていただきたいよぅ・・>< ←夢物語。笑

奥の岩壁に、ついに仏さまが見えました!!!
思わず足を止めて、合掌。。><

昔、お母さんがお嫁にきたばかりの頃までは
毎年4月1日には集落の人たちがここにごちそうを持ってきて、
男性は酒を飲み、女性は踊りを踊っていたんですって!
ななな・・なんてステキな行事!!!
奄美大島や沖縄のようにやっぱり鹿児島も、南国文化なのね!
そして、そのときにお料理をしていたと思われるかまどの跡もありました。

太陽が差し込む緑に囲まれた谷で、みんなが笑い合う仏さまのお祭。
今はもうやっていないのがとても残念ですが、
こういう行事があったっていうことでも伝えていってほしいなぁ。

肝心の仏さまがこちら。
かなり迫り出した岩壁に彫られています。
とっても彫りが深くって、力強い!
「岩堂観音」と呼ばれて親しまれていますが、実は阿弥陀三尊さま。
阿弥陀さま、観音さま、勢至さまの3人で、
亡くなった人をお迎えにくる「来迎(らいごう)」のお姿をされています。

力持ちで芯が強い人が彫ったような感じがしたのですが、
その昔に戦いから逃げてここで隠れていた方が彫ったと言われているそうです。
やっぱり力持ちだったのかしら・・??笑
阿弥陀さまに手を合わせて、今日お会いできたことにお礼を伝えようとしたら
横にいるお母さんとの出会いのありがたさに涙が溢れてきてしまいました。
阿弥陀さま、ステキな出会いをありがとうございます。
このお母さんと一緒に阿弥陀さまのところに来られてよかった。
朗らかで、下ぶくれの阿弥陀さま。
あたたかくて面倒見のいい鹿児島の人たちにとってもよく似合う。
まさにこの場所に、この仏さまアリ!という感じです。
お母さんとの出会い。
仏さまとの出会い。
忘れられない鹿児島の旅になりました。
本当にありがとうございました!!涙

